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~防火管理者~

 飲食店、物品販売店、福祉施設、病院、雑居ビルのテナントなど、多くの建物に必要になる「防火管理者」。しかし、意外とご存じでない方が多いみたいです。どのようなお仕事でも少なからず従業員やお客様の命を一時的でも守る立場にある皆様にとって、知らなかったでは済まされない存在であると思います。この記事で少しでも防火管理者について知っていただけることを願っております。
 ということで、このページでは防火管理者とは何なのか、どのような建物で必要になるのか、また、必要な場合は何を消防署へ届出するのか、についてご紹介します。※細かい制度については別の記事で公開予定です。

目次
1.防火管理者とは?
2.防火管理者が必要な建物
3.消防署への届出について

1.防火管理者とは?

 まず、防火管理者とはどのようなことをするのかお話したいと思います。簡単に言うと、火の元の管理をする責任者になります。日常業務の中で、飲食店であれば調理する際には火を使用しますし、工場でも火を使用する機会があると思います。また、火は使用しない場所でも火災は起こります。例えば、事務所では火を使用することは少ないと思いますが電気は使用しますよね?このように、皆様がご存じのとおり出火の原因は火だけではないのです。我々が生活する中には火災の原因となるものはたくさん存在します。自分が気をつけていても火災が起きる場合もあります。どんな場合かと言いますと「放火」などです。放火されにくい環境を整えることも非常に大事なわけです。このような少し意識するだけで火災を防止できるものの中々意識できないことを日頃から管理してあげる立場にあるのが防火管理者です。
 そして、上記のような火災防止はもちろん、万が一火災が発生した場合のために、日頃から火災を想定した訓練を計画し、実行させることも防火管理者の務めになります。
 このように、防火管理者の業務はたくさんありますので、誰もがすぐに防火管理者になれるわけではなく講習を受講したり、一定の資格をもった方がこの業務に就くことになります。細かい業務については別の記事でご紹介したいと思いますので、ここではざっくり防火管理者とはどういうものなのか知っていただければ幸いです。

2.防火管理者が必要な建物

 では、防火管理者はどの建物でも必要なのでしょうか?答えは、Noです。もちろん任意で選任することは可能ですので、しっかり管理したいという方は是非防火管理者を選任することをお勧めします。防火管理者の選任義務の根拠は大きく2通りあります。一つは①消防法によるものです。もう一つは②地域の火災予防条例によるものです。②の火災予防条例は地域の条例で確認していただきたいので、ここでは①の消防法を根拠にする場合についてお話します。

 防火管理者は消防法第8条に定められています。8条では「学校、病院、工場、事業場、興行場、百貨店、複合用途防火対象物、その他多数の者が出入りし、勤務し、又は居住する防火対象物で政令で定めるもの(一部省略)」となっており、より具体的な内容は消防法施行令に定められています。下図をご覧ください(用途→令別表へ)。

収容人員 用途
10人以上 (6)項ロ、((6)項ロを含む(16)項、(16の2)項)
30人以上 (1)~(4)項、(5)項イ、(6)項イ、ハ、ニ、(9)項イ、(16)項イ、(16の2)項
50人以上 (5)項ロ、(7)項、(8)項、(9)項ロ、(10)項~(15)項、(16)項イ、(17)項
新築工事中の建築物、建造中の旅客船

 防火管理者の有無は、建物全体の収容人員と建物の用途によって判断します。よく、テナントの人数や用途だけで判断(防火管理者の資格の種類では大事)する方がいますが、あくまでも建物全体での判断になりますのでご注意ください。そのため、テナント1か所だけ防火管理者が必要になることはなく、必要であるならすべてのテナントからそれぞれ防火管理者を選任しなくてはなりません。よって、テナントの収容人員が1名である場合でも、必要になることがあります。

3.消防署への届出について

 防火管理者を選任した後は、管轄の消防署へ届出する必要があります。管轄の基準は建物の存在する地域の消防署になります。会社の本店所在地や個人の住所ではありません。必要な書類は2つあり「防火管理者選任(解任)届出書(以下、「選任書」という。)」「消防計画作成(変更)届出書(以下、「計画書」という。)」になります。
 まず、選任書を届出し、その後計画書を提出します。同時でも構いませんが、計画書を先に届出しても受理されませんので注意してください。選任書には、防火管理者の資格証の写しを添付する消防署(例えば、横浜市消防局)や原本を提示する消防署(例えば、東京消防庁)がありますので事前にご確認ください。計画書は防火管理業務についてその事業所等に合った計画書を作成する必要がございます。届出は1部で大丈夫ですが、しっかり届出したことを証明するためにも副本を作成して届出印を押してもらったものを保管しておきましょう。計画書を見直す際にも役に立ちます。

 以上、防火管理者について少しはイメージできたでしょうか?
 2の表から多くの建物で防火管理者が必要になることが分かったと思います。なかなか普段消防法なんて意識されない方が多いと思いますが、ご自身のため、また、従業員やお客様のためにもしっかり防火管理者を選任し、消防署へ届出しましょう。